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2024年3月23日開催:スタートアップシンポジウム

アンケート結果・ご意見

スタートアップシンポジウムでのアンケート結果や参加者の皆さまからいただいたご意見と,細川氏からのお返事(各項目をクリック/タップすると表示されます)を掲載しています。



1.基調講演①、②についてお気づきの点があればお書きください。

基調講演①:
日本語教育機関認定法の施行について/今村聡子 氏(文化庁国語課長)

基調講演②:
対話とコミュニティ ― 日本語教育の専門性をつくるもの/細川英雄 氏(早稲田大学名誉教授)

11件の回答

  • 1.
    講演①では日本語教育機関認定法について背景からご説明いただけたので,理解が深まりました。講演②は少し抽象性が高く自分に置き換えて考えるには難しく感じましたが,取り入れられる部分を自分なりに活用していこうと思います。

    細川氏より
    ありがとうございます。取り入れる場合,「何を」「どう」とともに,「なぜ」についてぜひ考えてみてください。「なぜ」の部分に,ご自身の教育観が現れると思います。

  • 2.
    細川先生のお話はいつも納得させられながらも現場(組織)を変えていくことの難しさに直面しています。組織で,地域で,今日のように多くの方近くの方が考える機会があることは素晴らしいことだと思いました。

    細川氏より
    ありがとうございます。組織を変えるためには,対話しかありませんね。組織のなかでの対話の場の形成を期待します。

  • 3.
    パドレットをうまく活用できなかった。

    細川氏より
    ありがとうございます。そうですね,パドレット,私も勉強します。

  • 4.
    講演②の2回目のGWの時間がもっと欲しかった,資料を事前にいただけると良かったかと思います。

    細川氏より
    ありがとうございます。そうですね,2回目のGW,もう少し時間が取れたかもしれません。失礼しました。資料・ビデオは公開予定ですので,どうぞよろしくお願いします。

  • 5.
    二つの基調講演を関連づけた論点の議論を期待していた。細川先生が最後に「参照枠」についてコメントされたが,その点を議論する時間がなかったのが残念だった。

    細川氏より
    ありがとうございます。一つ目は,法律に基づく制度とその設計の話,二つ目はそれを踏まえた上での,分野の専門性とその考え方の話なので,同じ論点で議論するのはやや難しいかと考えました。たしかに,参照枠をどう捉えるかという議論にすれば,重なるところがあったかもしれませんね。アルク『日本語ジャーナル』に,「CEFRの本質から「日本語教育の参照枠」への向き合い方を考える」という対談を掲載しております([前編]・[後編])ので,ご参照ください。ご意見,ご感想をいただければ幸いです。

  • 6.
    前向きに取り組んで行こうという元気をいただきました。ありがとうございました。

    細川氏より
    こちらこそありがとうございます。実践研究は,私たちを元気にする薬です。ぜひ積極的に取り組んでいただければ嬉しいです。

  • 7.
    講演①が日本語教師に関わる制度の話(制度論的接近),講演②が日本語教師のあり方(存在論的接近)の話という相互補完的な構成になっていたことで,自身にとっての日本語教師という営み,あるいは日本語教師像について多角的に考えることができました。せっかくなので,今村氏と細川先生で日本語教師の専門性をめぐって対談するような時間があってもよかったように思います(今村氏が立場がある方なので難しかったかもしれませんが)。

    細川氏より
    ありがとうございます。存在論的接近は,佐藤学も言及していますね。これからの教育研究にとって不可欠の課題だと思います。前のご意見にも答えたように,法律に基づく制度とその設計と,分野の専門性とその考え方の立場の違いがあるため,同じ論点で議論するのはやや難しいかと考えましたが,対立するものとしてではなく,学習者と教師のwell-beingという観点から対話は可能であるように思います。

  • 8.
    日本語教育の制度移行のお話と日本語教育そのものの価値観のパラダイムシフトのお話を双方聞くことでリンクする部分と矛盾するものを考える良い機会となりました。

    細川氏より
    ありがとうございます。たしかにリンクしつつも矛盾する点のあることを私も感じております。何のための日本語教育なのかという最上位の議論を構築することで,解決の方向性も見えてくるのではないかと考えます。

  • 9.
    あまり細かく決め過ぎずに,様子を見ながらのワークでは,時間におわれない雰囲気で対話をすることができてよかったと思います。

    細川氏より
    ありがとうございます。今回は,「対話とコミュニティ」ですから,参加のみなさんとの対話をどのように図るかという点に苦慮しました。ご意見,うれしく思います。

  • 10.
    講演①では,認定制度が開始されることについてわかりやすく説明していただけたのが良かったです。モヤモヤしていたことがスッキリしました。

    細川氏より
    ありがとうございます。そうですね,こうした機会をつくってくださった文化庁及び金沢大学に,改めて御礼申し上げたいです。

  • 11.
    専門職の先生方が大半で素人には難しいお話しかと思いましたが,日本語学習支援者の立場からでも気づきをたくさん頂きました。

    細川氏より
    ありがとうございます。専門性というと難しく聞こえますが,日常の生活において,どのように外国につながる方々と共に生きていくうえでのことばの活動の問題なので,実際はすべての人に共通する課題だと考えています。これからもどうぞよろしくお願いします。

2.会全体の進行・運営についてお気づきの点があればお書きください。

10件の回答

  • 1.
    聞きやすい講演会環境でした。講演内容そのものは難しかったのですが,他グループや質疑応答の発言を介して理解が深まったように感じました。ありがとうございました。

    細川氏より
    対話を多く取り入れて,それぞれの方々の声を伺うことができました。ありがとうございます。

  • 2.
    ハイブリット方式だとオンラインの方に色々不手際があるのが普通ですが,このシンポジウムはとても手際良く,画面も綺麗で見やすかったです。ありがとうございました。

    細川氏より
    ありがとうございます。すべて金沢大学の関係スタッフの方々のおかげです。

  • 3.
    他地域からの参加もさせていただきありがとうございました。

    細川氏より
    ありがとうございます。こうした催しが全国的に行われているのは画期的ですね。文化庁の企画及び金沢大学の提案に感謝する次第です。

  • 4.
    オンラインでも途切れることなく参加できてよかったです。

    細川氏より
    ありがとうございます。金沢大学の関係スタッフのご尽力に感謝します。

  • 5.
    ありがとうございました。

    細川氏より
    ありがとうございます。

  • 6.
    特になし

    細川氏より
    ありがとうございます。

  • 7.
    オンラインのグループワークで参加者が多数退出されたので,待機室移動などにすると退出者が多くなかったかもしれません。

    細川氏より
    ありがとうございます。ご提案,感謝です。次回には試みてみたいと思います。

  • 8.
    ZoomによるLIVE配信,およびZoomミーティングのマネージメントがスムーズでまったくストレスを感じませんでした。 講演②で提供されていたPadletを質疑応答の際に活用してもよかったように思います。

    細川氏より
    ありがとうございます。今回,本当にすべてがスムーズでした。Padletの使用に関しては,私も勉強不足で失礼しました。今後,いろいろな活用を考えたいと存じます。

  • 9.
    対話をするには座席がグループワークをしにくい環境だった。

    細川氏より
    ありがとうございます。はい,おっしゃるとおりです。ホテル仕様のため,申し訳ありませんでした。本来,島をつくる形でGWができればいいと考えています。今後,検討したいと思います。

  • 10.
    申し込みの際にお伝えしたように今村さんと細川先生との対話の時間があればよかったです。パドレッドに入力する時間も足りなかったので事前に買い込めるようにしておいていただけたらよかったかと思います。

    細川氏より
    ありがとうございます。制度と教育観の課題,一度は,対話してみたいと考えております。パドレットは,今後,いろいろなところで使えそうなので,勉強したいと思います。

3.その他,お気づきの点があれば何でもお書きください。

14件の回答

  • 1.
    講演中,目の前の方のPCタイピング音が少し気になりました。後方に座ってくだされば,そこまで気にならなかったと思うのですが…。 全体に学びのある講演会でした。ご開催ありがとうございました。

    細川氏より
    ありがとうございます。参加される方の配置も考慮が必要ですね。今後の課題とします。

  • 2.
    細川先生のお話に励まされました。

    細川氏より
    ありがとうございます。現場こそ命,という思いは,教育の原理だと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。

  • 3.
    1)途中参加だったのでアンケートに答えられない質問がありました。
    2)細川先生のスライドは送っていただけるのでしょうか。
    3)ありがとうございました。

    細川氏より
    ありがとうございます。スライドや動画はすべて公開ということになりますので,どうぞよろしくお願いします。

  • 4.
    特になし

    細川氏より
    ありがとうございます。

  • 5.
    よい企画でした。

    細川氏より
    ありがとうございます。具体的にどのような点に興味を持たれたのか,書き込んでいただければ幸いです。

  • 6.
    ディスカッションが特に良かったです。普段関わりのない方ともお話することができ,面白かったです。

    細川氏より
    ありがとうございます。これからも,できるだけ対話の輪を広げていきたいと考えております。

  • 7.
    時機を得た,非常に意義深いシンポであったように思います。録画の公開を希望します。録画を公開することにより,多くの日本語教育関係者が本日のシンポで語られた内容が聞けるようになることを望みます。

    細川氏より
    ありがとうございます。録画ビデオ及び資料等,すべて公開を予定しております。多くの方々より建設的なご意見をいただきたいと考えています。

  • 8.
    久しぶりにいろいろな方と対面でお会い出来て,改めて対面式の良さを感じました。

    細川氏より
    ありがとうございます。対面の機会も少しずつ広げていきたいところですね。どうぞよろしくお願いします。

  • 9.
    日本語教育の在り方についてあらためて考えるよい機会になりました。

    細川氏より
    ありがとうございます。日本語教育のさまざまな立場とその考え方,あり方について議論のできる場をつくっていきたいと考えております。

  • 10.
    このようなシンポジウムを聴講させていただける機会があったら,是非また参加したいです。ありがとうございました。

    細川氏より
    ありがとうございます。今回の進歩をきっかけに,いろいろなところでも議論が起こると思いますので,またご参加いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。

  • 11.
    参加して良かったです。ありがとうございました。

    細川氏より
    ありがとうございます。具体的にどんなところに興味を持たれたのか,また書き込んでいただければ幸いです。

  • 12.
    大変内容の濃いシンポジウムでした。ありがとうございました。

    細川氏より
    ありがとうございます。具体的なご意見,またの機会に書き込んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。

  • 13.
    ご質問されている会場の方がどなたかがわからなかったり,声が聞こえにくかったのが残念でした。

    細川氏より
    ありがとうございます。対面とオンラインの併用で,いろいろご不便をおかけしたかと存じます。今後の課題といたします。

  • 14.
    対話に開かれて授業実践の大切さを対話・GWを取り入れて後援会で示して頂きありがとうございました。

    細川氏より
    ありがとうございます。対話とコミュニティというテーマでしたので,GWには苦慮いたしました。ご参加くださったご意見としてありがたく存じます。

パドレットからのご意見

  • 1.
    リフレクションなくしては手段が目的化してしまいますね

    細川氏より
    ありがとうございます。本当にその通りですね。教育において手段が目的化することが一番の問題です。

  • 2.
    「実践研究は,開かれた専門性への旅」というのはまさにその通りだと感じました。

    細川氏より
    ありがとうございます。はい,ここには正解がないということ,このことが重要かと考えます。

  • 3.
    自身の所属する組織(コミュニティ)内でDFRを共有する場を設けているのですが,外部への公開は積極的に行っておりませんでした。北陸地区には様々な組織(コミュニティ)があるので,「実践研究」を共有する場があればいいなと思います。

    細川氏より
    ありがとうございます。はい,今回の企画をきっかけとして,さまざまな対話の場が形成される可能性があります。どうぞご期待ください。

  • 4.対話の機会:
    D(デザイン)にしても,R(リフレクション)にしても,一人で行うのはなかなか難しい(一人といっても,他者の著作を参考にする場合もあるので,厳密には一人ということはないと思うが)。Dも,Rも,他者との対話をとおして行ったほうがいいのではないか。そう考えると,実践研究を行うにあたり,まずはじめに必要なのは,他者と日本語教育をめぐって対話をする機会を日常的に持つことではないか。日々の対話による言語化をとおして,自身の理念・方法・フィールドのつながりを自覚できるようになる。また,日々の対話が新たな出会いを呼び,新たな実践につながることもある。

    細川氏より
    ありがとうございます。はい,おっしゃる通りだと思います。そのような対話の場を今回の企画をきっかけに形成することができれば幸いです。

  • 5.好奇心をもつ:
    好奇心の芽を育てる環境や自分自身を整えること やってみようと思える,失敗しても大丈夫と思える環境も

    細川氏より
    ありがとうございます。はい,その通りです。そのような環境をつくることが日本語教育に課せられているのだと思います。

  • 6.越境学習:
    日本語教育学以外の学問から学べることも多くなっている気がします

    細川氏より
    ありがとうございます。はい,今回は,日本語教育を軸としつつも,もう少し大きな教育とは何かという観点から考えてみました。越境という概念,とても重要だと思います。

  • 7.評価観の違い
    1と2は活動内容は異なりますが,評価という観点では同様に思います。3は評価は教師がするのではない,という点で大きな違いがあります。私は3を目指していますが,現在の現場には,3以外が大勢で,葛藤しています。
    (事務局注:1~3は当日のスライド5picture_as_pdfを参照)

    細川氏より
    ありがとうございます。1や2はわかりやすいので,そのまま受け入れられてしまいがちですが,すこし考えると,3の重要性が見えてきますね。いろいろな価値観を持った方々との対話によって,3の意味について考える場をつくっていきたいものです。

  • 8.日本語教育観:
    たとえ新人教師であっても,自分は日本語教育を行ううえで何を大切にしたいかという自身の日本語教育観を自覚することは大切ではないか。それが個々の日本語教師が日本語教育活動を続けることを支える。

    細川氏より
    ありがとうございます。はい,本当にその通りだと思います。一人一人の教育観こそが日々の実践を支えているのだと思います。そのようなことを日常的に話し合える対話の場がほしいですね。どうぞよろしくお願いします。

  • 9.教育観
    日本語教育をとりまく環境や日本語学習者のニーズによっても変化していくように感じました。私自身としては3が近いように感じています。現場ではすべてを扱うことが求められているように思います。

    細川氏より
    ありがとうございます。現場は,教師一人ひとりによって異なります。その一人一人が「なぜ」を問うことによって,現場も大きく変わると思います。そのような対話の場を形成したいものです。どうぞよろしくお願いします。

個人メールによるご意見,ご感想

  • 1.
    金沢のフォーラム,オンライン参加させていただきました。
    日本語教育に限らず,教育者が教育をどのように考えているかが問われるワークだと感じました。まさに,教師の専門性をどう捉えるかということを各自に投げかけられたという…

    細川氏より
    ありがとうございます。そうですね,今回は,日本語教育を軸にしつつも,自らの教育観を振り返るという試みでした。どうぞよろしくお願いします。

  • 2.
    3つの教育観に関する意見交換,興味深いやり取りがありました。「レベルによる(3つ目のものは初級では無理という意見)」「それぞれを組み合わせてやっている」という意見が多く,個人の教育観の気づきへ繋げることの難しさを感じたりしながら,ワークに参加していました。3つそれぞれを組み合わせている(やり方として)ということは,自分の中でどう折り合いをつけているのかということを次のステップとして,もう少し話してみたい気がしました。

    細川氏より
    ありがとうございます。はい,そういうことになりますね。教育のスタイルを方法として捉えるか,教育観として捉えるかによって,この課題は大きく変わってきます。私としては,教育観として捉えることで,方法を超えたところでの気づきがあるというふうに考えています。

  • 3.
    金沢のシンポジウム,私にとっては刺激的でした。日本語教育専門でない先生も多数参加されていて,金沢大学をあげて取り組んでいることが伝わりました。

    細川氏より
    ありがとうございます。はい,そうですね。金沢大の関係スタッフの方々のご尽力によるものと存じます。

  • 4.
    ブレイクアウトでのグループワークの際,「自分のテーマ」という3つ目の教育スタイルについて,「これはかなり上級でないと取り入れられないですよね」とおっしゃった大学の先生がいらしたので,「市嶋先生がゼロ初級から取り組まれたことが本になっていて,ゼロからできることがよくわかりました」と言ってみました。こういうワークの際,同調せずにどのように異なりを示すかが,私の中での課題になっています。批判的すぎると引かれてしまうし,かといって同調していては何も生まれないし…。

    細川氏より
    ありがとうございます。おっしゃる通りですね。GWの際,建設的な対話へ持ち込めると,おもしろいですね。

  • 5.
    2回目のブレイクアウトは一人だったのですが,シンポジウムの司会をされていた金沢大の先生が入ってくださって二人で話していました。「実践研究」について,デザインの見直しについての話でしたが,その先生は,「これは日本語教育に限りませんね」とおっしゃっていたのが印象的でした。細川先生のお話は,日本語教育の話をされているようで,そうではない(教育全般,もしくはそれを超えたもの)であり,だからこそ,本学のような外国語大学において言語の枠を越えて考えていくことが重要なのだと思っています(それができていないことがジレンマですが…)。

    細川氏より
    ありがとうございます。今回は,日本語教育を軸にしつつも,教育全体を見渡すような観点を試みてみました。お役に立てば幸いです。

  • 6.
    「実践研究」の論文を書きたいと思っているのですが,査読の結果からは,「丁寧に書かれているけれどもこれは研究ではない」というコメントをもらったりして悩んでいます。それからずっとモヤモヤしておりました。今日のお話を聞いてすこし元気になりました。

    細川氏より
    ありがとうございます。そうですね,実践は研究にならないという研究観を持っている人は多いと思います。しかし,現場こそ命と考えるならば,自分の実践を形にして他者と共有することができなければ,教育は常に研究の応用という位置づけから逃れられません。むしろ教育こそ研究そのものという気概を持つことで,教育は充実するのではないでしょうか。研究観そのものは,本当にさまざまで一つに統一することはできませんが,自らの実践を形にし,同僚や組織で共有・公開し,それについて対話する場をつくることで,おのずと研究としてのかたちも整ってくるのではないかと考えます。

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